5時間弱の残業後、いつもの帰り道。 エンジン始動後3kmの距離を暖機運転。ブーストは負圧を維持し、2速3000回転以下で(ありえないくらいゆっくりと)第一車線を走行。 吸気温が低いこの季節・この時間、エンジンにとっては優しい。水温・油温が安定し暖機完了したところで、最近完成したバイパスに合流する。 第二車線を青信号で走り出し、この先5km続く直線を5速4000回転で駆け抜ける。 この時間、他に走る車は見当たらない。 FUKUOHでエンジンをオーバーホウル(Overhaul)して26,000km、エンジン回りは何の問題もない。 アクセルを少し踏み込むと、ブースト計のデジタル表示が負圧から正圧へ切り替わり、少し大きめのブォーという排気音とともに緩やかに加速していく。 アクセルを床まで踏み込むと、ブースト圧上限まで一気に跳ね上がり、カタパルトから射出される戦闘機の如く加速度を増す。同乗者がいれば顰蹙間違いなし(笑) ですが、もちろんこれはサーキットでのお話。 窓を少し開けて走ると、ひんやりとした外気が心地よい。 車内には Rotary Engine の排気音と風切り音以外、何も聞こえない。 音を文字で表すと「ブォーーー」「ピューーー」排気音のほうが遙かに大きいのは内緒の話。 永遠に続くと思われた直線道路にも、信号はある。行く手を阻むかのように陸橋を降りた先の信号が赤に変わったので、アクセルオフ。下り坂をしばし惰性で走行し、やがてRX-7は減速状態へ。 クラッチを切り回転数をブォーンと合わせて4速へシフトダウン。 言うまでもなくダブルクラッチ。 クラッチ切る→ギヤN→クラッチつなぐ→回転合わせる(アクセル煽る)→クラッチ切る→ギヤ入れる→クラッチつなぐ 速度はさらに落ち、ブォーンと3速へシフトダウン。 ダブルクラッチは、RX-7に乗るたびに繰り返してきたいつもの行為。 この車に乗り始めた頃は、ヒールアンドトゥとかダブルクラッチとか、未知の世界だった(笑)と思いつつ。 無意識のうちに、車を操ることができるようになっていた。 3速2000回転になり、さらにブォーンと2速へシフトダウンしクラッチを繋いだ瞬間... ドンッ! ギャリギャリギャリギャリッ!! ガッ!!! 無意識のうちに左足と左手が反応する。瞬時にクラッチを切りギアをNへ。 幸いにも下り坂の途中、RX-7は惰性で走行を続ける。後方・前方を走行する車はいない。 思考回路を切り替え、数秒前を振り返る。 RX-7の腹の底からというか床下(デフのあたり)から、衝撃とともに金属が削れるような激しい異音。 考えられることは ・触媒とマフラーの繋ぎ目あたりの部品が脱落し、路面と接触→排気音が変わらないので排気系ではない ・ミッションブロー(2速が死亡)の可能性→以前からミッションがやばそうだったので可能性あり 駆動系の不具合に間違いない、とうとうミッションブローか...と、赤信号で停車した。 信号待ちの間、頭の中で電卓を叩く。「ミッション本体220,000+部品40,000」だったかな... 青信号。 恐る恐るクラッチを繋いでみると...1速で動き出す!エンジン回転数を徐々に上げると、問題なく前に進む!続いて2速へ...繋がる!3速も...繋がる! ・・・ということは?ミッションブローとは違う原因??? しかし、シフトノブの異様な(上下の)振れが目に付く。斜めになって段差を越える際、ガリッと異音が聞こえる。床下でなんらかの異常が起こっている事は間違いない。 安全な場所に車を停車し、下回りを覗いてみた。マフラーや部品の脱落はなく、路面と接触するようなモノも見られない。 ミッション周辺のどこかで異常があることはわかるが、どこかがわからない。 すぐさまFUKUOHへ連絡・直行し、リフトアップしてもらう。 ミッションブローなら、降りるしかないか・・・と思っていたら。 原因:パワープラントフレームの折れ(クラックが徐々に大きくなり折れたと思われます)
言うまでもなく、緊急入院。MAZDASPEEDの赤い強化PPFに交換したところで、やはり折れる可能性はあるようなので、純正品を発注。 時期的に、そろそろ駆動系が故障してもおかしくないなぁ...という時期でした。 |